腰椎変性側弯症とは
腰椎変性側弯症(ようついへんせいそくわんしょう)とは、加齢に伴って椎間板や椎間関節が変性する高齢者に多い脊椎疾患です。本来まっすぐあるべき椎体(ついたい)とよばれる骨のブロックが左右にずれたり、変形したりして、さまざま症状をもたらします。(図1・2)
症状
主な症状は腰や背部の痛みですが、症状が進行すると神経を圧迫し、下肢のしびれ、痛み、筋力低下などが起こり、日常生活に大きく影響する場合があります。
治療方法
保存的療法と手術療法があります。症状、レントゲン、MRI等を診て、担当医師が適した治療法をご提案します。
保存療法
・コルセットによる局所の安静
・内服治療
・硬膜外、神経根ブロック注射等
手術療法
側方経路腰椎椎体間固定術(XLIF, OLIF)
脇腹と背中の2か所を開け、特殊な器具を使って椎体を固定する手術です。
XLIF, OLIFの流れ
脇腹に3~4cmの傷が1つ(OLIF)~2つ(XLIF)、背中には1.5cmの傷が4つつきます。※人により手術が必要な範囲が違うため、手術範囲が広くなれば傷の箇所・大きさが変わります。
XLIFは従来の術式に比べて出血量が少なく、入院期間も大幅に短縮されました。
したがって、これまで長期療養が必要であった多椎間脊椎固定術の患者さんに対しても早期社会復帰の枠が広がりました。
<手術後は?>
手術翌日
コルセットまたはギプスをつけて歩行トレーニングを開始
↓
手術後約2週間
退院。傷口に問題がなければ入浴可能。
↓
手術後1~2か月
日常生活、デスクワーク等の仕事復帰(※医師の確認が必要)
↓
手術後約3〜6ヵ月
重労働、スポーツ復帰(※医師による骨癒合確認後)
患者さんの状態によって、お仕事やスポーツ復帰時期は異なります。
当院では、手術後定期的に受診していただき、状態や画像を見ながら判断いたしますので、気になることがあればいつでも担当医までお気軽にご相談ください。
骨癒合(移植した骨が完全につくこと)には最低約3ヵ月間かかります。無理をすると骨癒合しない可能性があるため、必ず担当医の指示に従ってください。